NPOリボングラフィックスは、障がい者の自立支援を目的とした活動をしています。主にパソコンを活用した活動支援を行っています。
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2012年08月11日
災害時の「避難所力」はご存知ですか?
暑さの厳しい毎日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
理事の荻野稔です。
さて、今月3日に日本財団ビルで開催されました 「脱・ミクロ視点の防災・災害時適応-避難所アセスメントの経験から『避難所力』の向上を考える-」に参加しました。

先日は緊急避難についてのセミナーに参加しましたが、今回は避難した後の避難所をどう運営するか、その為にどのように備えるか?というお話が中心でした。
講演では「誰も死なない避難所を作る」「避難してからの訓練」という事が、繰り返し語られました。
実際に現場に出て、今回の災害に対応し、避難所を調査してきた「被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト」(つなプロ)の川北秀人様、田村太郎様や、災害時にクラウドによる情報管理システムを提供され、システム関連でつなぷろ様と共に対応にあたった富士通の生川慎二様、新しい災害対策に取り組んでいる区議会議員の横尾俊成様が講演を行いました。
川北様、田村様からは実際に被災地に入って避難所の支援・調査を行った体験談から問題点、今後への課題と、反省材料について説明がありました。
なぜ、避難所の運営を考えなければならないか?
東日本大震災における避難所関連死は1500人以上に上ります。
そのうちの半数の方のお亡くなりになった要因が、避難所への移動中の肉体・精神的疲労また、避難所における生活の肉体・精神的疲労です。
阪神淡路代震災や、新潟中越地震でも避難所で多くの方がお亡くなりになっており、神戸では、「避難所肺炎」と言われる肺炎で、多くの方が犠牲になっています。
このような避難後の犠牲の多くは「本来防げたはずの死」であり、犠牲者を出さないためにどう避難所の生活を向上させていくかを考えていくため実際のデータや多くのアンケートなどの調査結果をもとに現状と課題についてご説明頂きました。
また、長期化する避難所生活を考える上では、子供、妊婦、障がい者や病人、高齢者、外国人といった災害弱者の方についてどう対応するかというのも重要な課題です。
非常時であれば、災害弱者の方もそうでない方も同様に辛い事には変わりありません。
それでも、災害弱者の方は、私たち以上にハンディを背負っている分、不安などから来るストレスや行動の制限も多く環境の変化にも弱い。
彼らを適切に支援するために、対応できる環境に優先的に移す事は一人でも多くの方を救うために必要とされる対応なのではないかと思います。
他方、今日の我が国では、人口減少、若者の減少で地域の対応力は落ちているのにもかかわらず、高齢者、要介護者ら対応が必要な方は増えており、災害に備えるという観点から見ても、多くの課題が山積みとなっています。
例えば統廃合によって、役所や小学校などの避難場所は減り、歩いて行ける距離に役所や小学校などの判りやすい避難場所が無いケースも増えています。
外国の方や、単身赴任で来られている方のような、普段からの土地勘や地元の人との人付き合いが弱く、役所や学校の様な「判りやすい避難場所以外の避難場所」を知らない方にとって切実な問題です。
また、地域の防災力も高齢化が進んでおり、消防団員の方々の年齢層ももうすぐ半数が40代以上になるそうです。
(消防署の隊員でなく、地域の消防団員です。)
実際のデータから考えても、「絆」、「地域コミュニティーの復活」を唱えるだけでは、事態は解決せず、地域に若者がいない、高齢者で対応できる環境の為の準備、訓練をしていかなければ少子高齢化が進んだ今の時代に即した防災対策は出来ないのかもしれません。
富士通の生川様からは、富士通のクラウド技術と、災害時の緊急対応ノウハウを活かして「現場で必要とされるサービス」を通して、被災地の支援を行う「FUJITSU Way」についてご説明を頂きました。
「避難所支援」をより効率的に必要なものを「欲しい人に届ける」には様々な要因をまとめる必要があります。
具体的には、
・ニーズ(収集方法、情報管理、変化への予測)
・マッチング(情報共有、連絡先集め、供給可能品)
・デリバリー(対応結果情報、お届け方法)です。
これらを統括し、分析し、的確な行動を行う為のシステム作りやシステムの運用について、発災後現場で行動した経験を交えてご説明を頂きました。
現場で物資を運んだり、被災者の方の身の回りの支援を行うなどの肉体労働をする方以外にも、多くの方の尽力によって避難所運営は行われている事を再認識いたしました。
その他に、義捐金などの寄付行為の拡大から見れる、今まで日本では浸透しないとされてきた海外のような寄付文化の定着の可能性や、NPOと企業の連携の可能性、既存のメディアよりも迅速に個人が情報を発信するソーシャルネットワークが市民権を得た事などについてお話がありました。
ソーシャルネットワークの有効利用については、緊急避難に関する勉強会でもお聞きした事を覚えております。
これら様々なお話の中で、当事者としても印象に残ったのは、被災地での実際の対応を体験した事から考えられる企業とNPOの連携が生み出す可能性についてです。
NPOは、突破力とスピードがある半面、慢性的な人手不足と、情報発信力の脆弱さを抱えています。
そこに企業が協力する事によって、隙が無くなり、社会的価値は最大化するとの事でした。
既存の援助システム(行政、職能団体、支援団体)だけでは埋める事の出来ない役割を埋めるためにも、民間、NPO、ボランティアが連携し、支援しあう事は、今後必要により実践されていくべき事だと思います。
日本における市民セクターの有給従業者の割合は、他の先進国と比べても、まだまだ低いのが現状です。
確かに、市民セクターも長所、短所があり、悪用されることもあります。
万能の願望器と言うわけではありません。
それでも今の日本社会に必要とされている、手が行き届いていないサービス、福祉を届ける為の必要な役割の一翼を担うことが出来る可能性を秘めている事も間違いありません。
市民セクターの必要性と正しい理解を、もっと広めていければと思っております。
最後に講演を行った横尾議員からは、実際に、取り組んでいる地域の防災ウェブマガジン「Standby」について、説明がありました。
予想される帰宅困難者の人口や、食糧の備蓄、避難訓練参加者の情報を発信し、都市の防災意識の植え付けを行うとともに、街を構成する行政、企業、住民の連携の為の新たなコミニティ作りを目的としているそうです。
東京でも、多くの帰宅難民を出しましたが、実際に大型の災害が起きた時に備えるために、特に都市圏では、避難所には、地元に住んでいる人以外の方も、避難してくるであろう事を忘れてはいけません。
食糧の備蓄、土地勘のない人への対応等々、避難所運営をするために把握しておかなければならない情報はたくさんあります。
「避難所をどう運営していくか?」は、数か月以上に渡って関わってくる問題であり、緊急避難と同様に国民の間での意識の共有は必須だと思われます。
避難所での環境、適切な対処を行わなければ、本来助かるはずの命が失われてしまう事もあるのです。
また、その中で、災害弱者の方の避難所環境についてもどう考えるか。
優先的に避難させること、緊急時に対応できる環境の整備、常日頃からの啓発活動等々・・・・。
障がい者支援に関わる身としても、無関心ではいられません。
今後とも、勉強を続けていきたいと思います。
理事の荻野稔です。
さて、今月3日に日本財団ビルで開催されました 「脱・ミクロ視点の防災・災害時適応-避難所アセスメントの経験から『避難所力』の向上を考える-」に参加しました。

先日は緊急避難についてのセミナーに参加しましたが、今回は避難した後の避難所をどう運営するか、その為にどのように備えるか?というお話が中心でした。
講演では「誰も死なない避難所を作る」「避難してからの訓練」という事が、繰り返し語られました。
実際に現場に出て、今回の災害に対応し、避難所を調査してきた「被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト」(つなプロ)の川北秀人様、田村太郎様や、災害時にクラウドによる情報管理システムを提供され、システム関連でつなぷろ様と共に対応にあたった富士通の生川慎二様、新しい災害対策に取り組んでいる区議会議員の横尾俊成様が講演を行いました。
川北様、田村様からは実際に被災地に入って避難所の支援・調査を行った体験談から問題点、今後への課題と、反省材料について説明がありました。
なぜ、避難所の運営を考えなければならないか?
東日本大震災における避難所関連死は1500人以上に上ります。
そのうちの半数の方のお亡くなりになった要因が、避難所への移動中の肉体・精神的疲労また、避難所における生活の肉体・精神的疲労です。
阪神淡路代震災や、新潟中越地震でも避難所で多くの方がお亡くなりになっており、神戸では、「避難所肺炎」と言われる肺炎で、多くの方が犠牲になっています。
このような避難後の犠牲の多くは「本来防げたはずの死」であり、犠牲者を出さないためにどう避難所の生活を向上させていくかを考えていくため実際のデータや多くのアンケートなどの調査結果をもとに現状と課題についてご説明頂きました。
また、長期化する避難所生活を考える上では、子供、妊婦、障がい者や病人、高齢者、外国人といった災害弱者の方についてどう対応するかというのも重要な課題です。
非常時であれば、災害弱者の方もそうでない方も同様に辛い事には変わりありません。
それでも、災害弱者の方は、私たち以上にハンディを背負っている分、不安などから来るストレスや行動の制限も多く環境の変化にも弱い。
彼らを適切に支援するために、対応できる環境に優先的に移す事は一人でも多くの方を救うために必要とされる対応なのではないかと思います。
他方、今日の我が国では、人口減少、若者の減少で地域の対応力は落ちているのにもかかわらず、高齢者、要介護者ら対応が必要な方は増えており、災害に備えるという観点から見ても、多くの課題が山積みとなっています。
例えば統廃合によって、役所や小学校などの避難場所は減り、歩いて行ける距離に役所や小学校などの判りやすい避難場所が無いケースも増えています。
外国の方や、単身赴任で来られている方のような、普段からの土地勘や地元の人との人付き合いが弱く、役所や学校の様な「判りやすい避難場所以外の避難場所」を知らない方にとって切実な問題です。
また、地域の防災力も高齢化が進んでおり、消防団員の方々の年齢層ももうすぐ半数が40代以上になるそうです。
(消防署の隊員でなく、地域の消防団員です。)
実際のデータから考えても、「絆」、「地域コミュニティーの復活」を唱えるだけでは、事態は解決せず、地域に若者がいない、高齢者で対応できる環境の為の準備、訓練をしていかなければ少子高齢化が進んだ今の時代に即した防災対策は出来ないのかもしれません。
富士通の生川様からは、富士通のクラウド技術と、災害時の緊急対応ノウハウを活かして「現場で必要とされるサービス」を通して、被災地の支援を行う「FUJITSU Way」についてご説明を頂きました。
「避難所支援」をより効率的に必要なものを「欲しい人に届ける」には様々な要因をまとめる必要があります。
具体的には、
・ニーズ(収集方法、情報管理、変化への予測)
・マッチング(情報共有、連絡先集め、供給可能品)
・デリバリー(対応結果情報、お届け方法)です。
これらを統括し、分析し、的確な行動を行う為のシステム作りやシステムの運用について、発災後現場で行動した経験を交えてご説明を頂きました。
現場で物資を運んだり、被災者の方の身の回りの支援を行うなどの肉体労働をする方以外にも、多くの方の尽力によって避難所運営は行われている事を再認識いたしました。
その他に、義捐金などの寄付行為の拡大から見れる、今まで日本では浸透しないとされてきた海外のような寄付文化の定着の可能性や、NPOと企業の連携の可能性、既存のメディアよりも迅速に個人が情報を発信するソーシャルネットワークが市民権を得た事などについてお話がありました。
ソーシャルネットワークの有効利用については、緊急避難に関する勉強会でもお聞きした事を覚えております。
これら様々なお話の中で、当事者としても印象に残ったのは、被災地での実際の対応を体験した事から考えられる企業とNPOの連携が生み出す可能性についてです。
NPOは、突破力とスピードがある半面、慢性的な人手不足と、情報発信力の脆弱さを抱えています。
そこに企業が協力する事によって、隙が無くなり、社会的価値は最大化するとの事でした。
既存の援助システム(行政、職能団体、支援団体)だけでは埋める事の出来ない役割を埋めるためにも、民間、NPO、ボランティアが連携し、支援しあう事は、今後必要により実践されていくべき事だと思います。
日本における市民セクターの有給従業者の割合は、他の先進国と比べても、まだまだ低いのが現状です。
確かに、市民セクターも長所、短所があり、悪用されることもあります。
万能の願望器と言うわけではありません。
それでも今の日本社会に必要とされている、手が行き届いていないサービス、福祉を届ける為の必要な役割の一翼を担うことが出来る可能性を秘めている事も間違いありません。
市民セクターの必要性と正しい理解を、もっと広めていければと思っております。
最後に講演を行った横尾議員からは、実際に、取り組んでいる地域の防災ウェブマガジン「Standby」について、説明がありました。
予想される帰宅困難者の人口や、食糧の備蓄、避難訓練参加者の情報を発信し、都市の防災意識の植え付けを行うとともに、街を構成する行政、企業、住民の連携の為の新たなコミニティ作りを目的としているそうです。
東京でも、多くの帰宅難民を出しましたが、実際に大型の災害が起きた時に備えるために、特に都市圏では、避難所には、地元に住んでいる人以外の方も、避難してくるであろう事を忘れてはいけません。
食糧の備蓄、土地勘のない人への対応等々、避難所運営をするために把握しておかなければならない情報はたくさんあります。
「避難所をどう運営していくか?」は、数か月以上に渡って関わってくる問題であり、緊急避難と同様に国民の間での意識の共有は必須だと思われます。
避難所での環境、適切な対処を行わなければ、本来助かるはずの命が失われてしまう事もあるのです。
また、その中で、災害弱者の方の避難所環境についてもどう考えるか。
優先的に避難させること、緊急時に対応できる環境の整備、常日頃からの啓発活動等々・・・・。
障がい者支援に関わる身としても、無関心ではいられません。
今後とも、勉強を続けていきたいと思います。
Posted by リボングラフィックス at 22:27│Comments(0)
│荻野